JLCS ニュースレター No.31. 2004年度液晶学会サマースクール2. Nano Tech2004 国際ナノテクノロジー総合展 報告

2. Nano Tech2004 国際ナノテクノロジー総合展 報告

日本IBM 長谷川雅樹
会期:2004年3月17日-19日
会場:東京ビッグサイト 東4・5ホール
主催:nano tech実行委員会
共催:NEDO
大阪大学の川合先生を委員長とし、理化学研究所、東大、東北大、産総研の委員の方で構成されるnano tech実行委員会が主催するカーボンナノチューブ(CNT)材料などの所謂ナノテクノロジーの総合技術展で、今年で3回目となる。液晶に直接関連した技術の展示は少ないが、応用分野の拡大のために参考になるのでここに報告する。
ナノテクノロジーと呼ばれる技術は包含される範囲がとても広く、とかく寄せ集めの印象が強いが、今回の展示会ではNEDO、産総研、理化学研究所、通信総合研究所、各大学の研究室での研究が大きな展示面積を占めていたため、微小な加工、材料技術の展示が中心となりまとまっていた。展示の内容を大きく分けると、下記の5つに分類できる。
1.ナノ粒子:CNT、フラーレン、金属微粒子などの材料の作製装置、作製方法、材料そのもの
2.精密位置決め装置:位置決め装置にマニピュレータを組み合わせ、微小操作が可能
3.複合材料作製用分散装置:微粒子を均一に混合分散させる装置
4.微細加工装置
5.研究所の技術展示
企業の多くは、フラーレン、CNTの作製技術、あるいは微粒子材料そのものを展示しており、応用製品、技術を探っている様子であった。また、研究所からは様々な応用技術が展示、提案されていたが具体的な用途が示されておらず、実際の適用にはまだ時間がかかると感じた。CNTは特性の方向性が特徴であり、その異方性を活かすためにシリコンやガラス基板上での一方向の成長制御技術が報告されていた。液晶に直接関係する技術は、NEDOの精密高分子技術プロジェクトの中で発表されていた。
詳細は http://unit.aist.go.jp/macrotech/nanostructure/ を参照されたい。